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2003.09.26「住宅特集」
 
資金づくり/返済計画、ゆとりが大事 

金利が上昇局面に差しかかり、資金づくりには「今がチャンス」という見方もある=秋田銀行本店
   ハウスメーカーや住宅展示場などを訪れて「どんな家にしようか」と、マイホーム設計を描くにしても、気掛かりなのは資金づくり。融資方法や金利の動向など資金面まで一切、ハウスメーカーにお願いする人も少なくない。そのためにも、「住宅金融」に関する予備知識を蓄えておくことが必要だ。県内の金融機関の窓口で基本的なポイントを聞いてみると―。

[ポイント]
 毎月の返済額の上限は、年収の20―25%を十二等分した金額が一つの目安とされる。年収が返済能力の基準であるほかに、本人の年齢や、子供の教育費、共働きの有無なども大きな要因になる。三十、四十代であれば、返済期間を三十、四十年間と長めに設定できるが、五十、六十代ならば二十年前後と短めにせざるを得ない。七十五歳までに返済を終えることが、返済計画を立てるときの原則だ。
 子供が短大、大学などを卒業するまであとわずかであれば、教育費は少なくて済み、それだけ住宅資金に充てられる。これに対し、子供がまだ小、中学生ならば、それ相当の教育費を見込んだ上で、住宅ローンを組まないといけない。共働きであれば、より多く住宅資金に回す余裕もあるだろう。
 一方、毎月支払える住宅ローンをあらかじめ計算した上で、マイホーム購入価格のめどを立てるのも一つ。返済能力に見合った住宅を建てる堅実さも大切だ。これならば、大きな負担もなく、安心して毎月返済できる。
 ある金融機関の担当者は「毎月いくら返済できるかを考えて、住宅・土地の新築、購入資金をシミュレーションし、マイホームの計画を立てると、金利の変動などがあっても慌てずに済む。年収の四、五倍が土地・建物購入時の目安になるが、スムーズな返済ができるように無理なく計画してほしい」とアドバイスする。別の金融機関の担当者は「金利が上昇局面に入ってきたのを考えると、長期・固定金利を利用するなど、できるだけ長期的に考えて住宅ローンの商品を選んだ方がいい」と話している。

《民間ローン》 
各行、多彩な商品/割安感を前面に
 秋田銀行の住宅ローンでは、「年1%で三年間固定金利」の商品が目に付く。「超低金利を実感」と銘打ち、九月一日から十二月三十日まで展開しているキャンペーンだ。金利が上昇局面に差しかかってきた中では、かなりの割安感がある。新規にマイホームを建築、購入する場合はもちろん、他の金融機関からの借り換えにも利用できる。
 「年2・45%で十年間固定金利」の商品も割安感のあるタイプ。年収五百万円以上といった条件があるものの、十年間固定金利が通常3%台であるのに比べ、かなりお得だ。
 十月六日から秋田銀行本店二階には「本店個人ローンセンター」が開設される。住宅金融公庫と同行の住宅ローンの申し込み受け付けを一本化。従来は公庫と同行の住宅ローンの受付窓口が異なり、利用者に不便だったが、同センターの開設に伴ってよりスムーズで迅速に対応できる。
 不動産関係やローン全般に詳しいスタッフをそろえ、サービス向上を図る。また、マイカーローンや教育ローン、カードローンなどすべてに対応する。
 北都銀行でも「1%三年固定」や「2・45%十年固定」など、低金利のサービスを実施している。八月二十五日からは「オール電化住宅ローン」を新設した。給湯は電気温水器、調理はクッキングヒーター、暖房は蓄熱式の電気暖房機や床暖房、ヒートポンプ式ルームエアコンというように、熱源をすべて電気でまかなう住宅を新築、購入する場合、通常のキャンペーン金利よりさらに0・1%低い金利に設定するサービスだ。
 新設着工住宅に「オール電化」タイプが増えているのに対応し、東北電力とタイアップした。「十年固定金利」を選べば、年2・35%となる。
 昨年九月から始めた「ガン保障特約付住宅ローン」の利用は、同行の住宅ローン件数全体の約二割を占める。基準金利に0・2%上乗せした金利を適用し、がんと診断された時点で残っていた住宅ローン全額(債務残高相当額)が支払われる。
《公的融資》 
【住宅金融公庫】
魅力は長期固定金利

 住宅金融公庫の融資は、長期間にわたって固定金利が適用されることが魅力。金利の変動を気にせずに済み、安心して計画的に返済できる。
 低金利時代にあっては、利率だけをみると民間ローンと差が縮まり、その魅力がやや薄れがち。それでも、年収や住宅の広さなどに応じて適用される利率を吟味した上で、民間ローンと併用するのも便利だ。
 公庫東北支店は当面、十月三、四日と、十二月五、六日に秋田市の県労働会館で、希望者から直接申し込みや相談を受け付ける。
 
 政府の特殊法人等整理合理化計画に基づき、公庫は平成十九年三月末までに独立行政法人に移行するのに伴い、公庫の直接融資が縮小される。このため「長期・固定ローン」が民間金融機関から提供されやすくなるように、公庫は十月一日から「ローンの証券化」を先行実施する。
 公庫が民間金融機関から住宅ローンの債権を買い取り、「証券」に切り替えて投資家や信託会社に売り渡す。その結果、民間金融機関にとっては、ローン債権回収のリスクが減るため、長期・固定ローンを提供しやすくなるという仕組み。
 公庫東北支店によると、県内には当面、「ローンの証券化」を実施する民間金融機関はないものの、今後も随時、実施希望を受け付ける。

【県の融資制度】
「秋田杉利用型」を新設

 民間ローンとの金利差が縮小しているとはいえ、住宅金融公庫と同様、県の融資制度には「長期・固定ローン」の安心感がある。
 「ほっと安心あきた住宅資金」のうち、十五年度から「秋田杉利用優良木造型」が新設された。一戸建ての新築や、建売住宅・分譲住宅の購入に適用される。融資限度額は千万円、当初十年間が1・95%、十一年目以降3・0%。償還期間は二十五年以内。
 在来構法で建築し、バリアフリー、省エネルギー、耐久性の条件を備えて、秋田杉の使用割合が構造材の70%以上であることが必要。申し込み時に「木材使用内容書」を添える。
 今年四月からスタートしたばかりで、利用はまだ浸透していないが、県は良質な住宅の供給や秋田杉の需要拡大につなげようと、同制度のPRに懸命だ。住宅のリフォーム向けには「住宅改良資金」(融資限度額五百万円)も便利。
 県建築住宅課は「金利が1%違えば、月々の返済額(元利償還額)も八千円前後違ってくる。長期・固定ローンを併用し、金利変動に伴って支払いが増えるリスクをできるだけ軽減してほしい」と話している。
 公的融資の問い合わせ、相談は主な金融機関や県建築住宅課、県建築住宅センター、県の各地域振興局建設部など。