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2002.03.29「住宅特集」
 
バリアフリー住宅/高まる「安全」へのニーズ 

手すりは滑りやすい浴室での安全を確保するのに効果的



衣服のそでを引っ掛けないように継ぎ目やすき間をなくした階段の手すり



転倒の原因になる床の段差を解消した仕様が一般的になっている
  段差解消、手すり設置、通行幅確保・・・今や家づくりに不可欠
 部屋と廊下の段差をなくしたり、階段や浴室に手すりを付けるなどした「バリアフー住宅」へのニーズが高まっている。高齢者や障害者のいる世帯だけでなく、若い世代も子供の安全や自分の将来に備えてバリアフリー対応を望むのが今や主流だ。バリアフリーを標準仕様とする住宅メーカーも増えており、それぞれが快適で安全な暮らしのために独自の提案をしている。

 家屋内での転倒や階段からの転落などの事故は国内で年間30万件以上と推定されており、命を落とす人も少なくない。転倒の原因となる床の段差、トイレや浴室に入った際の急激な温度変化−。運動機能や感覚機能が低下している高齢者や障害者らにとっては、家の中にも思わぬ危険が潜んでいる。このような危険や障害をなくすことがバリアフリー化だ。
【ユニバーサルデザイン提案】
 現在、ほとんどの住宅メーカーが、住宅金融公庫が金利を優遇する▽フロアの段差解消▽廊下や部屋の出入り口などの通行幅の確保▽こう配のゆるやかな階段▽浴室や階段の手すり設置−といった基準をクリアした住宅を販売している。
 ミサワホーム北日本秋田支店では、7、8年前から子供から高齢者まで、それに体に障害がある人も健常者も安全に暮らせる「ユニバーサルデザイン」の住宅を提案している。
 「近年はバリアフリー住宅であることを前提に、家を見に来るお客が増えた」と同支店。転倒の原因となりやすい段差については、段差を解消した住宅を標準仕様としており、逆に和室と廊下に段差をつけることをオプションにしている。
【将来の必要性見極め選択を】
 同支店では東京のミサワホーム研究所で部品の研究やモニターテストを行い実用化に結びつけてきた。「階段の手すり一つとっても、単に手すりがあればバリアフリーというわけではない。衣服のそでを引っ掛けないように、継ぎ目やすき間を作らないことも考えなければいけない」と同支店。デザイン的にも美しい継ぎ目のない手すりを設置している。
 また、「見えないところでもバリアフリーに備えることが、これからの家づくりに不可欠な考え方になってくる」と指摘。将来的に手すりが必要になると思われる部分には、あらかじめ壁の内側に下地を設けるなどして質の向上に努めている。
 一方、高齢者や障害者だけでなく、幼児のバリアフリーも重要だ。積水ハウス秋田営業所では、子供がぶつかってもけがをしにくいように、柱の角を丸くする「面取り」を提案しているほか、低い位置に窓を設ける場合には外側か内側にさくを取り付けている。
 「以前は面取りなどを気にする人は少なかったが、最近は居間や子供部屋などの柱を面取りする依頼が増えてきた」と同営業所。安全性に対するユーザーの関心の高まりとともに、バリアフリー住宅は今や常識と言えるほど身近なものになりつつある。

オール電化住宅/少ない熱量で快適生活提供 

オール電化住宅のキッチン。安全で室内の空気をきれいに保てるのがメリットだ
  環境負荷も軽減
 冷暖房や調理、給湯をすべて電気で賄う「オール電化住宅」。以前は「熱量が少ない」「電気料金が高い」などと言われたオール電化住宅だが、住宅性能が向上するにつれ、少ない熱量で快適な生活が可能になった。また、安全性や地球環境への悪影響が軽減されるといったメリットも広く知られるようになり、県内でもここ数年で急速に普及しつつある。

 東北電力秋田支店によると、県内のオール電化住宅は平成4年ごろから右肩上がりが続いており、12年度は総住宅着工件数の7.2%(631戸)を占めた。同年度までのオール電化戸数は3057戸。このうち約2600戸が4年からの9年間で建築されている。
 オール電化住宅とはクッキングヒーター、蓄熱式電気暖房器、電気温水器などを使用し、生活に必要な熱源をすべて電気から得る住宅のこと。
 同支店では▽火を使わないため、火災の心配が少ない▽排気が発生せず屋内の空気をきれいに保てる▽室温がほぼ一定になるため結露しにくく、室内を快適な湿度に保てる−など、安全とクリーンな住環境をメリットとして挙げている。

 また、蓄熱式電気暖房器や電気温水器は、料金の安い深夜電力を利用する。火力発電の比率が低くなっている深夜電力を利用することで、総体的に二酸化炭素の排出量を抑制する効果もあり、「環境問題に関心のある人からの問い合わせが増えている」と同支店。太陽光発電システムと併せて導入する人も徐々に増えているという。
 生活の熱源すべてを電気で賄うとなると、気になるのは料金。同支店は「昼夜で料金設定の異なるプラン(時間帯別電灯)で契約することにより、灯油やガスと同じか、それ以下の料金に抑えられる」と話している。
 一方、電気による暖房効果を最大限に発揮させるには、住宅の断熱性と気密性が求められる。「高断熱、高気密の家でなければ、料金的なメリットは少ない」と語るのは、オール電化住宅を施工する日沼工務店(秋田市)。
 同店では断熱材に発泡ウレタンを壁や床、天井に使うほか、窓にも樹脂サッシやペアガラスなどを使用し、断熱効果を高めている。建築コストはやや掛かり増しになるが、「丈夫な素材を使用するため、住宅自体が長持ちする」(同工務店)と指摘、長期的に見ると得だという。
 昨年12月にオール電化住宅が完成した秋田市の会社員、大塚誠さんは「冬の過ごし方がまったく変わった」と語る。
 電力会社の説明会などで多くの利点を知ったものの、料金が気になっていた。「しかし、2月分の料金は、2万5000円ほどで、灯油やガスを使用した場合より安かった」と大塚さん。「室温20度と安定した暖かさに加え、結露がなくなったため、室内がからっとしていて過ごしやすい冬だった」と納得した表情で話した。